Q:日本では"I Want My Hat Back"は関西弁で訳されています。これは望んだことですか、それとも出版社が勝手にやったことですか? A:日本の出版社がやったことで、僕は後から知らされた。最初に知った時、英語ではこの本はとてもフォーマルな話し方をしているんだけど、日本のその方言はとてもカジュアルな話し方だと聞いて雰囲気が変わってしまうのではないかと心配になった。でも最終的には上手く行っているみたいだと思った。昨日翻訳版を聞いたけど日本の人たちに楽しんでもらえてるみたいだし。
ここで紀伊國屋の方から解説が入る。 昨日はカナダ大使館でイベントがあって、そこで"I Want My Hat Back"の英語・日本語版の朗読があったらしい。
「あるものを見せたい」という前振りをされてスクリーンに表示されたのは、"I Want My Hat Back"の続編になる絵本。正確なタイトルは忘れたけど、"I Like to be Alone at the Night"みたいな感じ。 シカが色んな森の動物に「君は夜一人で過ごすのが好き?」と聞いて周り、「起こすなよ…」と動物たちに嫌がられるという話。そして結局シカは一人で過ごさない。前作と内容が絡みすぎている為に出版ならず、という普段は見られないお話。
もう一つが"I Will Trade You A Stick"。文字通り、棒を拾ったから物々交換で良い物をもらおうとするシカの話。これも出版ならず、と思ったらポーランドの出版社が買ってくれたらしい。 「ポーランドって棒で物々交換をする習慣があるからだって」って笑いながら言ってたけど本当なのかな…ww
ここまでで19時近くになったのでサイン会に移行。 そして私は耐え切れずダッシュで高島屋に駆け込みATMでお金を下ろして"I Want My Hat Back"を買ったのだった。
「私が初めてあなたの"I Want My Hat Back"のことを知ったのは、ネットでとあるドラマのパロディ版を見たからです。その後他の映画とかドラマのパロディも見ました。質問は、そんなインターネットミームみたいになったことをどう思われているか、ということです」 「最初、出版社は凄く心配していた。ラストを凄く暴力的に描かれたり、僕たちの望まない内容にされる可能性があったからね」 「確かにそれは困りますよね」 「でも僕自身は嬉しかったよ。色んな掲示板で、色んな作品の二次創作として、僕の描いた話が新しい側面を見せるようになった。それが沢山の人達に楽しまれているのは良いことだよ」 「それなら良かったです」 「確かRedditかなあ、そこに"I Want My Hat Back"がスキャンされてアップされたんだよ。それがきっかけだったと思う。でも最後のページだけはその投稿主は上げなかった。そのお陰で僕の絵本とは別物になっていったんだと思う。暴力的にもならなかったしね」 「私が見たのも最後のページが無いものでした。今日朗読の時に最後の部分に少し驚きました」 「ドクター・フーのやつとかも最高だったよ」